→参加漫画家紹介
→漫画化される長嶋作品    new!

参加漫画家紹介(順適当、敬称略)  紹介文・凡コバ夫

吉田戦車 


1985年成人雑誌のイラスト等でデビュー。
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吉田戦車 new!


1985年成人雑誌のイラスト等でデビュー。
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「戦え、軍人くん」で中学生時代の長嶋に多大な影響を与えた、ギャグ漫画の奇才。言語の面白さを縦横に駆使し、今なお新たな笑いを生み出しているほか絵本や文筆でも活躍(ブルボン小林著「ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ」文庫解説にも名文を寄稿している)。その言語感覚で長嶋作品をどう切り取るか!

主な著作 まんが親    伝染るんです。
ウラモトユウコ(漫画化計画新人枠) 


2011年「I know.」で第1回アオハル漫画賞大賞を受賞してデビュー。
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ウラモトユウコ(漫画化計画新人枠) 


2011年「I know.」で第1回アオハル漫画賞大賞を受賞してデビュー。
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ツイッターの「それはなんでしょう」で知り合い、イラストのうまさから「それはなんでしょう」メンバー間の人気者となる(なんでしょうサイトの似顔絵も即興で描いてもらう)。さらに新人賞も受賞したところで漫画化計画に抜擢! 先物買いとなるか!?

主な著作 I know.    ともだちだとも(アオハル0.5号掲載)
オカヤイヅミ(漫画化計画新人枠) 


2011年「いろちがい」(マッグガーデン)でデビュー。→詳細
オカヤイヅミ(漫画化計画新人枠) 


2011年「いろちがい」(マッグガーデン)でデビュー。→閉じる
長嶋とは長年来の付き合い。漫画読みの目利きで、ブルボン小林に新しい漫画を教える「師匠」でもある。イラストレーターとして活動していたが、ついに漫画家デビューしたところを早速漫画化計画に抜擢! 独特なヨロヨロした描線が似合いすぎる漫画化となりそうだ。

主な著作 いろちがい    すきまめし(web連載)
河井克夫 


1995年「ピエール」(ガロ)でデビュー。→詳細
河井克夫 


1995年「ピエール」(ガロ)でデビュー。→閉じる
最後期のガロを知る世代。音楽誌や「ダ・ヴィンチ」など、漫画専門誌ではない媒体を飄々と渡り歩き、松尾スズキや枡野浩一との共著では相手の良さを引き出しつつも独特のテンポを維持する。穏やかさと生々しさの両立した作風で、長く読ませる。同じようにいっけん地味な長嶋作品をどのように料理してくるのか!

主な著作 猫と負け犬    女の生きかたシリーズ
島崎譲 


1981年「おやじの日曜日」(DXマーガレット)でデビュー。→詳細
島崎譲 


1981年「おやじの日曜日」(DXマーガレット)でデビュー。→閉じる
後に週刊少年マガジンで(マガジンが最も熱かった時代に)熱血芸能漫画「ザ・スター」が大ヒット。長嶋の心もわしづかむ(『マンガホニャララ』でも熱弁!)。現在は歴史漫画で活躍。『花かんざし捕物帖』のオビ文は長嶋が寄稿している。漫画化計画においても熱血ノリをふるってもらうことに!(一体どの作品で!?)

主な著作 関羽、出陣!    花かんざし捕物帖
衿沢世衣子


2000年『カナの夏』(コミックH)でデビュー。→詳細
衿沢世衣子


2000年『カナの夏』(コミックH)でデビュー。→閉じる
2009年の最新作『シンプルノットローファー』は、「『キャラ』ではなく『個性』を描く」作風で、女子高生群像劇の新境地を軽やかに切り開いた。
長嶋有『ぼくは落ち着きがない』の表紙画を手がけた縁から親交は深まり、今回の漫画化計画にも同作で、しかもトップバッターを買って出てくれた。

主な著作 シンプルノットローファー    おかえりピアニカ
カラスヤサトシ


1995年『海辺の人々』ほかで第6回COMICアレ!漫画賞優秀賞を受賞しデビュー(片岡聰名義)。→詳細
カラスヤサトシ


1995年『海辺の人々』ほかで第6回COMICアレ!漫画賞優秀賞を受賞しデビュー(片岡聰名義)。→閉じる
2003年よりアフタヌーンで連載開始した『カラスヤサトシ』で、男性エッセイギャグ漫画の新境地を軽やかでなく切り開いた。
長嶋有と「なんか(作風が?)似てる」「顔もソックリに違いない」とまで周囲にいわれつづけ、ついに2008年に「デーモン小暮」について五万字対談を敢行。顔は似ていなかったが(長嶋よりも男前だったが)、今回の計画にもノリノリでの参加を表明してくれた。

主な著作 カラスヤサトシ    おのぼり物語
島田虎之介


2000年『エンリケ小林のエルドラド』で「アックスマンガ新人賞」佳作を受賞しデビュー。→詳細
島田虎之介


2000年『エンリケ小林のエルドラド』で「アックスマンガ新人賞」佳作を受賞しデビュー。→閉じる
08年、『トロイメライ』で手塚治虫文化賞新生賞を受賞。とぼけたキャラクターたちを幾人も用いて、壮大な大風呂敷を広げきってしまう、文学と映画の面白さを漫画で駆使する男。
長嶋作品のファンということで、アックス57号「島田虎之介特集」では、対談相手に長嶋を指名。まさかの巻頭ロング対談で、「僕でいいんですか」と長嶋がビビるという一幕も(その割に長々としゃべりまくってたが)。今回の漫画化計画でも、独特のモノトーンで長嶋作品を描いてくれることに!

主な著作 ダニーボーイ    トロイメライ
100%ORANGE 


及川賢治と竹内繭子の二人組。1997年頃デビュー。→詳細
100%ORANGE 


及川賢治と竹内繭子の二人組。1997年頃デビュー。→閉じる
新潮文庫yonda?パンダやパルコの広告など、国民規模で愛されるイラストを手がけつつ、絵本や挿画、漫画でも活躍。
今も連載中の『SUNAO SUNAO』は、漫画ならではの楽しさなのに「起承転結」ではなく「食道胃腸」をくぐりぬけたようなびっくり読後感を与え、飽きさせない。
長嶋有伝説の迷エッセイ連載『安全な妄想』の挿画を手がけた際は、普段のかわいらしさと異なった不可思議さをここぞとばかり全開にしてくれた。その『安全な妄想』連載再開(!)にあわせ、漫画化計画への参加も緊急決定!

主な著作 SUNAO SUNAO    よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし
よしもとよしとも 


1985年「日刊吉本良明」でデビュー。→詳細
よしもとよしとも 


1985年「日刊吉本良明」でデビュー。→閉じる
若者の冷たさと激情とをないまぜに、とぼけた笑いと平坦さで描いた作品群は今なお多くの支持を集め「消費されないロングセラー」となる。
90年代以後の漫画文化を牽引、かつ隠遁(?)。次作を待望されつつ寡作を守る姿勢は多くの作り手を勇気づけ(編集者を泣かせ)る。
「最近長嶋作品にハマってるらしい」との情報を衿沢さんから聞きつけ、にじりよるように依頼。快諾を得るも、原稿をもらえる日までは油断できない!?

主な著作 青い車    Greatest Hits +3
フジモトマサル 


1994年にフリーのイラストレーターとして活動開始。1998年に『長めのいい部屋』(主婦の友社)で漫画家デビュー。→詳細
フジモトマサル 


1994年にフリーのイラストレーターとして活動開始。1998年に『長めのいい部屋』(主婦の友社)で漫画家デビュー。→閉じる
既存の漫画誌と異なるさまざまな媒体で描かれた作品群は、書棚に並んだあとも不思議な存在感を放つ。絵本のように読み返したくなり、眺めたくなるが、皮肉でブラックなオチの切れ味はまさに漫画!
長嶋有『エロマンガ島の三人』の表紙と口絵を手がける。口絵では、長嶋のエロ要望に応じヌード画にも初挑戦してくれた。今回の漫画家計画でも長嶋のいらん口出しをスマートにこなしてくれそう。

主な著作 二週間の休暇    スコットくん
陽気婢 


1989年「きみは甲子園」(ペンギンクラブ山賊版)でデビュー。→詳細
陽気婢 


1989年「きみは甲子園」(ペンギンクラブ山賊版)でデビュー。→閉じる
美少女(=エロ)漫画界の星。エロなのに清潔、かわいくてちゃんとエロい(女性ファン多し)。
SFや映画への愛情深く、不思議で魅力的な筋を大胆に押し進める。一般誌連載中の「ドクター&ドーター」はエロさ薄めだが大胆さはアップ!
「あれを書くならエロの人しかいないだろ」と長嶋も語る、とある作品のため、特に肝いりでの依頼を快諾!(……あれって、まさかの官能小説?)。

主な著作 ドクター&ドーター    内向エロス
小玉ユキ 


2000年「柘榴」(宝島社CUTiEcomic)でデビュー。→詳細
小玉ユキ 


2000年「柘榴」(宝島社CUTiEcomic)でデビュー。→閉じる
ジャズに魅せられた凸凹男子二人の友情や恋模様を描いた『坂道のアポロン』は、シンプルかつ愛すべき人物造形と大胆な展開とで、男女問わずに胸をわしづかみされる。
コミック装幀担当の名久井直子を介し知り合う。
もとより長嶋作品の愛読者でもあったとのことで、長嶋も「存分にやってください!」と熱望するばかりか、別名義の連載「スーダラ鑑賞記」用の似顔絵までどさくさにまぎれて依頼。即興で描いてもらった。

主な著作 坂道のアポロン    羽衣ミシン
うめ 


小沢高広と妹尾朝子の二人組。
2001年「ちゃぶだい」でデビュー。→詳細
うめ 


小沢高広と妹尾朝子の二人組。
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激動のテレビゲーム業界の様子を描いた『東京トイボックス』は、スタイリッシュな絵柄や展開と、対照的に不器用な人間たちの熱さがぐっとくる。
連載中の『大東京トイボックス』一巻は、推薦オビ文を長嶋有とブルボンが同時に書いてみせた(初版のみ)。
ゲーム業界ということで、漫画化されるのもアレなのか? 刮目して待て!

主な著作 大東京トイボックス    ちゃぶだいケンタ
萩尾望都 


1969年「ルルとミミ」でデビュー。→詳細
萩尾望都 


1969年「ルルとミミ」でデビュー。→閉じる
SF、歴史、世界、家族、他者、内面、さまざまな事象に常に旺盛な好奇心とアイデアを発揮しつづけ、漫画表現を野心的に切り開き、今なお第一線で活躍する姿に誰もが心打たれる、漫画界の第一人者。
『文藝別冊・萩尾望都』で光栄にも対談を依頼された長嶋、恐縮しながらもおずおずと逆依頼(「参加『11人』目になってください!」)。まさかの快諾に長嶋もスタッフも今なお驚愕!
※画像/『ここではないどこか 山へ行く』(小学館)より転載

主な著作 スフィンクス    11人いる!
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藤子不二雄Ⓐ


藤本弘(藤子・F・不二雄)とともに、1952年「天使の玉ちゃん」(毎日小学生新聞)でデビュー。漫画好きが永遠に尊敬し続けるであろう、最後の「トキワ荘世代」。→詳細
藤子不二雄Ⓐ


藤本弘(藤子・F・不二雄)とともに、1952年「天使の玉ちゃん」(毎日小学生新聞)でデビュー。漫画好きが永遠に尊敬し続けるであろう、最後の「トキワ荘世代」。→閉じる
『忍者ハットリくん』『怪物くん』など「自立した少年ヒーロー」たちの魅力は今も色あせず。
長嶋有が別名義で書いた長大な「藤子Ⓐ論」に対して激賞の言葉をいただいたことから、今回のシンボルマークの作成依頼となる。『笑ウせえるすまん』風の、これ以上なくマンガ的な長嶋似顔絵を描きおろしてくださった。

主な著作 愛…しりそめし頃に…    忍者ハットリくん

漫画化される長嶋作品

「ジャージの二人」(集英社文庫刊)new!
    by 吉田戦車(かきおろし)→詳細

「ジャージの二人」(集英社文庫刊)new!
    by 吉田戦車(かきおろし)

03年刊行の第3作品集。およそ文学的でないダウナー小説の先駆的作品。群馬の山小屋を舞台に低速な父子を描き、08年映画化(中村義洋監督)。長嶋曰く「小銭を稼いできてくれる」地味なロングセラー。
映画とまるで違う映像にしたいと、「中年のつぶつぶ髭」描画の天才、吉田戦車に依頼。題名自体に宿っていた漫画性をも拡張した、見事な戦車ワールドを展開。新たなジャージに瞠目せよ。

「タンノイのエジンバラ」(文春文庫)new!
    by 河井克夫(かきおろし)→詳細

「タンノイのエジンバラ」(文春文庫)new!
    by 河井克夫(かきおろし)

02年刊行の第2作品集(の表題作)。独身男と隣家の娘の交流?を描いた、長嶋「自選ベスト3」に入る短編。
計画の当初から、河井克夫「日本の実話」の感じでこれを!と熱望しており、ついに宿願を果たす。
私小説ではないのに、長嶋ワールドというか長嶋本人? とみまごう造形にスタッフ一同も改めて「漫画の甲斐」をみせつけられる!

「THE BUNGO」(かきおろし)new!
    by 島崎譲→詳細

「THE BUNGO」(かきおろし)new!
    by 島崎譲

本計画中、唯一の長嶋有完全かきおろし原作。
「漫画化計画」というからにはもっと漫画らしい漫画を入れたいと、破天荒な芸能界の姿を痛快に描いた島崎譲「ザ・スター」の世界を「やってもらう」ことに。芸能界を文学界に置き換え、卑劣な悪徳作家に立ち向かう若き小説家「長瀬『有』也」の痛快な活躍を、往年のマガジンタッチで見事に再現してくれた。
(長嶋注「なお、題名は「文豪」でなく「ザ・スター」の発音でブンゴゥ!とお読みいただきたい」)

「佐渡の三人」(文學界07年1月号掲載)new!
    by オカヤイヅミ(かきおろし)→詳細

「佐渡の三人」(文學界07年1月号掲載)new!
    by オカヤイヅミ(かきおろし)

06年発表の単行本未収録作(12年刊行予定の第11作品集に収録予定)。
「社会」「因習」「無頼(自由)」のどれにも寄りかかれずにただよう家族の動きを描いた、長嶋「自選ベスト3」の一つ。
重要作に、あえて新人のオカヤイヅミを抜擢。背筋の曲がったような独特の描線で、「ただよう」不安定な気配が繊細にすくい取られた!

「サイドカーに犬」(『猛スピードで母は』所収/文春文庫)new!
    by ウラモトユウコ(かきおろし)→詳細

「サイドカーに犬」(『猛スピードで母は』所収/文春文庫)new!
    by ウラモトユウコ(かきおろし)

01年文學界新人賞受賞のデビュー作。07年には映画化され(根岸吉太郎監督)た人気作。
デビュー作なので、なおさら新人にお願いしようと、11年デビュー、同年に知り合ったばかりのウラモトユウコを抜擢。「新人枠」の限られたページ数で原作のエッセンスを大事に抽出! 夏休みと女性たちの気配が立ちのぼる漫画化となる

「十時間」(『祝福』所収/河出書房新社刊)
    by 萩尾望都(小説宝石11年11、12月号に掲載)→詳細

「十時間」(『祝福』所収/河出書房新社刊)
    by 萩尾望都(小説宝石11年11、12月号に掲載)

10年刊行の第10作品集に収録された(初出も10年)。北国の小さな社宅を舞台に、幼い姉妹の一晩の出来事と心の揺れ動きを微細に描ききり、翌年の川端賞を最後まで争った。
小説宝石誌上での漫画化計画連載はこれにて終了(あとは描き下ろし!)。つまり「トリ」でもあり、これが長嶋作品髄一の「少女」小説でもあることから、萩尾望都さんにお願いすることに。性格の異なる少女たちだけでなく、二人の存在する空間ごと見事に立ち上げるその筆致に息をのむ!

「パラレル」(文春文庫刊)
    by うめ(小説宝石11年7〜9月号に掲載)→詳細

「パラレル」(文春文庫刊)
    by うめ(小説宝石11年7〜9月号に掲載)

04年刊行の第4作品集。90年代の東京を舞台に、交わりそうで交わらない=パラレルな夫婦関係と友情を果敢に描いた初長編。
文庫解説も書いた米光一成氏を通じて親交が始まったことや、(主に)東京が舞台で、主人公がゲーム作家であることなどからごく自然に「大東京トイボックス」が人気のうめさんに依頼。クールな絵柄と、対照的に泥臭く悩む人物とが、まさに「パラで」走り出す!

「泣かない女はいない」(河出文庫刊)
    by 小玉ユキ(小説宝石11年4〜6月号に掲載)→詳細

「泣かない女はいない」(河出文庫刊)
    by 小玉ユキ(小説宝石11年4〜6月号に掲載)

05年刊行の第5作品集(の表題作)。長嶋作品には珍しい恋愛小説でファンも多い。二十世紀末の埼玉で働く地味な男女の、恋にまつわる心の移り変わりを微細に描きだした。
小玉ユキ氏は以前から長嶋作品を愛読し、特にこの作品を漫画化したいと思っていたということで、願ったりかなったりでの依頼。独特な黒目の大きさで人物は意思を宿らせ、少女漫画の色香を得て、従来の読者は悶絶、新たなファンもさらに増えそう!

「エロマンガ島の三人」(文春文庫刊)
    by 陽気婢(小説宝石11年1〜3月号に掲載)→詳細

「エロマンガ島の三人」(文春文庫刊)
    by 陽気婢(小説宝石11年1〜3月号に掲載)

07年刊行の第7作品集(の表題作)。エロマンガ島でエロ漫画を読むという下らない企画旅行に出向いた編集者の実話をもとに描いた異色の南国小説。
「その漫画化なれば、ぜひエロ漫画家に」と、女性ファンも多い陽気婢氏に依頼。かわいく色っぽい女性キャラだけでなく、氏ならではの等身大で押しの弱い男性キャラクター陣もピタリとはまり、ドタバタと静けさの両立した南国世界が見事に再現された。

「ねたあとに」(朝日新聞出版刊)
    byフジモトマサル(小説宝石10年11、12月号に掲載)→詳細

「ねたあとに」(朝日新聞出版刊)
    byフジモトマサル(小説宝石10年11、12月号に掲載)

09年発行の第9作品集。山小屋でさまざまな遊びに興じている人間の様子と、その遊び「だけ」を、朝日新聞連載という場で延々と書きつづった野心的大長編。
漫画は、モデルになった山小屋に滞在したこともあるフジモトマサルが担当。森の中ならではの陰影と湿度を、フジモト氏独特の(モノクロでも感じさせる)色遣いと魅力あるキャラクターとで、原作よりもひんやり落ち着いた感触に描き、新たな魅力をひき出してくれた。

「噛みながら」(『祝福』所収/河出書房新社刊)
    byよしもとよしとも(10年9、10月号に掲載)→詳細

「噛みながら」(『祝福』所収/河出書房新社刊)
    byよしもとよしとも(10年9、10月号に掲載)

長嶋有第8作品集の販促グッズ(アナザーカバー)の裏に書かれた番外編で、本編で謎を残した頼子のその後を、長嶋作品らしからぬ激しい展開で描き出した異色作でもある(当時は無題だった)。公には漫画が先に発表されることになったのも異色。
よしともさんとの初対面時におみやげのつもりでカバーを渡したところ、「これ描きたい!」との逆提案。不機嫌で不自由な頼子の個性と犯罪物語はたしかに「あの」よしともワールドに見事にハマり、本格的復帰作といっていい会心の内容に!

「女神の石」(『エロマンガ島の三人』所収/文春文庫)
    by 100%ORANGE(10年8月号掲載・全1回)→詳細

「女神の石」(『エロマンガ島の三人』所収/文春文庫)
    by 100%ORANGE(10年8月号掲載・全1回)

07年刊行の第7作品集に収録された短編(初出は01年)。長嶋作品には珍しいSF小説。
かつて連載エッセイ『安全な妄想』でコンビを組んでいた100%ORANGEに(連載の再開を機に)、「小説の漫画化も!」と依頼したところ、ニコニコしながらハードな設定の異色作をヒョイと選んだ。長嶋作品史上最短で訪れる「不意打ち」を、既存の漫画にはない、100%作品ならではの「不思議な短さ」で、さらにビックリ&ピッタリと漫画化!

「猛スピードで母は」(文春文庫)
    by島田虎之介(小説宝石10年5〜7月号に掲載)→詳細

「猛スピードで母は」(文春文庫)
    by島田虎之介(小説宝石10年5月〜7月号に掲載)

02年刊行の第1作品集(の表題作)。北国に暮らす母子の様子をサバサバと描き、第126回芥川賞を受賞。
母子物だがウェット感のない風景を重視するべく、映画的に格好いい漫画を描く島田虎之介に半ば決め打ちで依頼。島田氏も「長嶋さんを漫画化するならこれで」と思っていたようで意気込みも十分。ページ量としても今回の漫画化で最大級となったが、軽やかに疾走してくれた。

「夕子ちゃんの近道」(講談社文庫)
    byカラスヤサトシ(小説宝石10年2〜4月号に掲載)→詳細

「夕子ちゃんの近道」(講談社文庫)
    byカラスヤサトシ(小説宝石10年2〜4月号に掲載)

06年刊行の第6作品集。古道具屋の二階に暮らす男と周辺の人々を実験的(と思われないほどコッソリとした)手法で描いた連作。
07年、第1回大江健三郎賞を(まさかの)受賞。09年にはeditions-picquierより仏語版が刊行される。
かわいい題名ゆえ「ほっこり」「スローライフ」的に読まれてしまうことも多い本作だが、絶対に誤解させないよう漫画化は、「notほっこり漫画」の先鋭カラスヤサトシに(まさかの?)依頼!「してやったり」と長嶋もほくそ笑むほどのハマリぶりをみせてくれた。

「ぼくは落ち着きがない」(光文社文庫)
    by衿沢世衣子(小説宝石09年11月号〜10年1月号に掲載)→詳細

「ぼくは落ち着きがない」(光文社文庫)
    by衿沢世衣子(小説宝石09年11月号〜10年1月号に掲載)

08年刊行の長嶋有第8作品集。桜ヶ丘高校図書部員たちの地味で少し変な日常を描いた青春小説。
連載中は編集者と喧嘩しながら(注・現在は関係良好)の荒れた執筆だったが、なぜか評判を呼び、長嶋の作品では異例の売れ行き。
漫画化は、単行本の表紙も手がけた衿沢世衣子が担当。筋よりも空間を描いた小説だったこともあり、脇役の能見さん視点による「外伝」となる。あの「サラサラ」髪がまさに再現され、原作者まで悶絶!